Nara's diary

Always find beautiful things in my life

【日本の管理栄養士の仕事】~保育園~

こんにちは。

管理栄養士のNaraです。

 

今回は、日本での管理栄養士の仕事紹介〜保育園編〜です。

管理栄養士としての就職先を迷っている方の参考になれば幸いです。

 

 

保育園に、新卒で入った理由

私が保育園で働いたのは、大学卒業後すぐ、初めての仕事でした。

「保育園を職場に選んだ理由」と、

「新卒のキャリアを保育園にした理由」に分けてご紹介したいと思います。

 

保育園を職場に選んだ理由

私は子供(特に乳児~幼児)が好きで母子保健に興味があり、さらに給食の経験も得たかったからです。保育園はこの両者を得ることが出来る職場でした。

海外で母子保健分野で働くことも見据えていたので、まずは日本の離乳食や幼少期の食育現場の経験を積みたいという想いがありました。世界と比べると恐らくレベルが高い日本の離乳食の実務経験があれば、応用できると考えていたからです。そして調理技術は、栄養改善の上で基本中の基本なため絶対的に調理経験は必須だと決めていました。実際に1年働いてみて、母子保健と給食に関してかなり力がついたと思っています。

 

また当たり前ですが、保育園には毎日子供がいます。それは、他の管理栄養士の職場にはなかなかないことだと思います。

実際に働いてみて、毎日子供たちと触れ合うことができたことは癒しであり、保育園で働く楽しさの一つでした。(この点に関しては、「管理栄養士も自由に園児の教室に出入りできる」という珍しい保育園を職場としたという理由もあります)少し疲れていても、子供を見ると今日も給食頑張って美味しく作るぞという気持ちになりました。ミールラウンドができるため、まずいものを作ればそれなりに彼らの反応も悪くなります(笑) 反応を見て今日はここが良くなかったと反省ができるので、よりおいしい給食作りができるようになった気がします。味だけでなく、食材の硬さや大きさにも子供たちは敏感で正直です。このように反応を見れたことは、給食の技術向上にも繋がりますし、かわいい子供たちに喜んでもらえる食事を作りたいというやる気にも繋がっていました。

 

新卒のキャリアを保育園にした理由

保育園の管理栄養士は、やるなら若いうちにやったほうが良いと思ったからです。

体力的にも仕事内容的にも、年齢を重ねてから働くよりは若いうちに経験するイメージがありました。給食業務も早いうちに経験しておけば、私が最も携わりたい公衆栄養・栄養教育分野で働くうえで、調理経験をベースにお話ができると考えていました。実際に栄養教育の仕事をしていると、調理経験はかなり役に立っています。公衆栄養においては(食事提供がないため)食事の用意は相手が自分で行うことであり、調理上の工夫をぱっと思いつき伝えられるからです。

 

保育園の管理栄養士の仕事

私の場合なので1例ですが、どんな仕事をしていたかをお伝えします。

給食業務

保育園の仕事の1番を占めるものが給食だと思います。0~5歳、すなわち離乳食と乳幼児食の食事提供(朝おやつ、昼食、昼おやつ、夕食)をしていました。乳幼児はおやつが大切なエネルギー源となります。昼おやつも手作りで出す保育園でしたので、昼食を作ってほっと出来るわけではありませんでした。昼おやつも毎日異なるものを作っていたので、おにぎりや麺類、ケーキ類など様々でした。お誕生日会が毎月あり、手作りのケーキを作っていました。クリームも泡立ててデコレーションすることもあり、管理栄養士ではなくパティシエかと思うこともありました(笑)

大学の実習から感じていた通り、給食業務は本当に大変でした。毎日同じ量、時間に食事を提供する必要があるのに加えて、アレルギー対応、衛生管理も必須です。1年しか保育園で働きませんでしたが、責任者として業務にあたっていたため技術がつきました。この経験が公衆栄養にも役立っています。

 

献立作成

給食業務に加えてなかなかに大変だったのが献立作成です。私の園はサイクルメニューが禁止だったので毎月新しい献立を作成しなければなりませんでした。調理法や、肉魚卵大豆など主菜、和洋中などパズルのように組み合わせながら被らないように献立を考えました。献立作成というよりもメニュー考案に近かったような気がします。とても大変でしたが、メニューを考える力はとてもつきました。メニュー考案が終わったら、栄養価計算もやります。園児の構成人数に合わせた栄養摂取基準をせっていしていたので、その基準に合うように食材の種類、量を決めていきました。

 

食材の買い物

私の保育園は給食業界でよくある「発注」ではなく、「近くのスーパー」で食材調達をしていました。園児は35人ほどの食材はかなり重くなります。(多くの保育園と比べると35人園児は少ないほうです)毎日スーパーへ行って食材を買っていたことで、日本のスーパーの品揃えや価格帯などの知識が付きました。これは公衆栄養で役立つのはもちろん、海外での活動にも役立つと思っています。

 

食育活動

月に1回ほど、各クラスで食育活動を行いました。私は0~1歳を主に担当していたので、野菜を触る、きのこをさく、野菜スタンプなどを行いました。本当に簡単な内容でしたが、クラスの担任の先生と話し合ったり、食材の準備をしたり、企画書を作ったりと、一連の流れを経験することができました。

 

保護者の栄養相談

乳幼児期のお母さんの食事の悩みは、色々あります。私の保育園は保護者との連絡ノートがあり、コメントを書いたり相談にのっていました。よくある質問は、「食べてくれない」「吐き出してしまう」などでした。ミールラウンドに自由に行けたので、悩みがあるお母さんの子供のことは積極的に見に行って、連絡ノートに返信をしていました。

 

保育園で働いてよかったこと

給食業務の経験、乳幼児期の栄養の知識全般、離乳食など様々な経験をすることができました。

私の園は調理も大量調理まではいかない家庭料理に応用できる量で、冷凍食品など加工食品の使用禁止だったので途上国での調理にも生かせる経験だったと思います。調理技術もかなり身に付きました。正直調理には苦手意識があったので、自分を鍛える意味で仕事にしました。苦手なのにいきなり1人前として配置されるのでとても辛かったですが、1年頑張って得たものはとても大きいです。凝縮した1年でした。

 

子供がおいしそうに食べているのを見たり、保護者の方に給食をほめてもらえることがやりがいでした。

給食業務は、実際に食べている相手を見ることができるのは少ないと思います。幼児さんになれば、おいしいという言葉も言ってくれるのでとてもうれしいです。子供は本当にかわいいので毎日の癒しでした。また、保護者の方も給食をありがたく思ってくださり、褒めてくださることも多くありました。

 

保育園で働く上で、デメリットかもしれないこと

保育園は閉ざされた職場であるということです。外部との関わりがほとんどないため、人間関係はあまり良くないことが多い気がします。実際に、私も栄養士の先輩からパワハラを受けましたし、保育園で働く人や働いたことのある人の話を聞くと、正直あまりいい話は聞かないです。人間関係の問題は様々な職場であるかもしれないですが、特に保育園は多い気がします。良かったらご参考ください↓

 

nara0307.hatenablog.com

 

最後に

保育園は、管理栄養士が活躍できる場所です。

まだ自分では食事を用意したり選んだりすることができない、乳幼児期の子供に適切なおいしい栄養をとってもらいたいという想いがあれば楽しく働けると思います。その子供たちが成長するためのお手伝いをできるのは素晴らしいことです。私は、保育園の食事をいつか「おいしかったな」と思い出してもらえるといいなとの想いで毎日作っていました。それが健康的な食事だと認識してもらえていればなおさら嬉しいです。

ぜひ保育園で働くことも検討してみてください!