Nara's diary

Always find beautiful things in my life

【青年海外協力隊】辛いことが多い中でのうれしい出来事

こんにちは。ボリビアで栄養士として活動するNaraです。

ボリビアに着いて1年になるまであと1か月くらいとなりました。

ここまで日が経つと、だんだんと全てが見えてきて私の場合は辛いことのほうが多いです。それには理由があるので今回説明しますが、そんな中でもうれしかった出来事を残しておこうと思い今回書き留めることにしました。

青年海外協力隊は国、配属先、職種によってかなり状況が異なりますので、ただの一例としてお読みいただきたいと思います。

糖尿病クラブの患者さんのご招待でクリスマスランチを食べました

 

 

私の「辛さ」は何か

私の辛さはどこから来るのかというと、

仕事における孤独感です。

 

nara0307.hatenablog.com

 

ここでも説明は少ししたのですが、私の場合、一緒に働く人がいません。

配属先は一応あり、自分のオフィス、いわゆる机、パソコン、プリンターまで自分のものがあるという環境です。冷房もあり過ごす分には快適なオフィスです。

ただ、同じ部屋にいる同僚は事務員さんであり、私の栄養士としての仕事とはかけ離れたことをしています。さらに彼らは仕事がない時間のほうが多いので、オフィスにいることが仕事かと思えてくるくらいです。日本では多分想像しづらい状況ですね。

隣の部屋には医師など、事務員さんと比べかなり忙しい職種もいます。しかし、そもそも市内の医療施設の管轄事務所が私の配属先のため、私の仕事とは無関係で請求関連の管理や物品購入などをしています。

私は現場の患者さんと仕事をする立場なので、この配属先には似た仕事をする人は誰もいません。さらに誰も私の仕事に関心はありません。初めのほうは、私の仕事を誰かサポートしてくれる人が見つかるかもしれないと期待していましたが、ここまで日が経つとさすがに「本当に誰もいない」ことに気づきました。

配属先が現場でないことから、各現場に出向いています。その数は約10個。協力しているNGO も含めると合計11個の組織とかかわっています。それ自体はより多くの人に私の活動を届けられるのでいいことではあります。しかし私は各組織を月1で回っているので、どこへ行っても孤独というものはつきまとわります。

このような理由から、配属先でも各現場でも常に「外」の人を感じるようになってしまいました。常に一緒にいないのでその輪には入れないという感覚です。まさに広く浅くとはこういうことです。だからといって、各現場に出向いた時にひどい対応をされるわけでは全くありません。 そこは心配しないで大丈夫です笑

こんな環境から、ボリビアとは全く関係ないですが、フリーランスは私は向いていないのかもしれないと思うようになりました。常に一人で動きどこかの組織と仕事をするとしても、自分ひとり対相手複数(あるいは相手も一人)という構図になります。すべて一人で考え仕事をしていく。それを一生続けるのはかなり孤独感が強いことなのだろうとふと考えだすようになりました。

 

 

任地に来て10か月経ち、見えてきたもの

青年海外協力隊としては、現地の人と協力し自分が日本に帰った後も何か残せるようにすることが良いとされています。私も何か残したいと思ってずっとやってきたわけです。しかし一緒に働く人がいない私は、どのように、誰に残したらよいかと毎日考えてきました。

そして、10か月もここにいれば見えてくるものがあります。

本当に私の仕事をできるようなポジションがないことです。つまり、私の仕事を引き継げる人はいない。だから一緒に働く人も、興味を持ってくれる人もいないわけです。私が穴に入ってそのまま抜けていくようなイメージです。配属先には各保健センターを回って健康教育を届けられるような人材はいません。必要性はあるのですが、予算を回すほどではないようです。

配属先以外にも各保健センターやNGO等、様々な人と関わっていますが本当に私のポジションに来れそうな人はいません。

生活習慣病の問題から栄養士が必要ということで要請を出したにもかかわらず、市がその仕事をしていく余裕がないためボランティアに一時的にやってもらうというような状況が発生しています。

この事実をさとってしまったので、もう期待もなくなりました。

 

 

ボリビア人からのうれしかった言葉と行動

そんな中でも私は自分の活動を続けています。各保健センターの糖尿病クラブで栄養講和をし、子ども食堂で子どもたちへの健康教育を行っています。

12月は今年最後の月ということで、いつもとは違ったイベントがありました。そこでうれしかったこと2つ書き留めておきます。

一つ目は糖尿病の患者さん。彼女の保健センターの糖尿病クラブがクリスマスランチに招待してくれました。

クリスマスランチの会場。患者さんのとても素敵なお家でした

私の栄養講和にとても感謝しているということを伝えてくれました。そしてボリビアカラーの手作り腕輪をプレゼントしてくれました。思わず泣きそうになりました。感謝してくれる人がいるのに、仕事の孤独感や辛さから私は早く2年が終わったら…なんて考えていてなんだか情けなくなりました。

 

 

二つ目は、子ども食堂の6歳の男の子。今年最後のお別れ会で会いました。

子ども食堂のお別れ会。12月クリスマス前ということで子どもたちにプレゼントが配られました

私が調理実習をしたときのことを話し、「あの食べ物すごくおいしかったよ」と少しこそこそ教えてくれるような感じで言ってくれました。調理実習を月1しか行かない子ども食堂で行うのは正直難しくいつも大変なのですが、こう思ってくれる子どもがいるなら続けなければと思いました。子どものころの食の体験、例えば調理実習などは、ボリビアの学校で行っているのを聞いたことがありません。それを提供できていることに意味があると気づかせてくれました。

 

辛さとうれしさの狭間で

うれしい出来事が2つあり、その時はとてもうれしく、この辛い中で本当に救われた感じがします。私のやっていることが、仕事をしている側の人間とは協力できていなくても、届けている相手方は必要としていて喜んでくれているということ。いくら頑張っていてもそれを見てくれている同僚やカウンターパートがいないので、評価とまではいかないですが実際に栄養教育を届けている人からの感謝の言葉はとても刺さります。

 

 

私がここにいる意味

孤独と闘いながら、現場で待っている人たちの「健康」のために活動するということが今の私にできることなのだと思っています。この活動を私がいなくなった後に継続させることは今のところ人材不足から不可能だと思っていますが、いる限りは現場の人に届け続け、彼らの心や頭の中に私が伝えたことが残り、彼らが実践し健康に暮らしてくれれば私のミッションは達成できたと言える気がします。なぜなら私がここに来なければ、この栄養教育を受けることがない人生だったかもしれないからです。

この先ボリビアは大統領選挙が控えており、何が起こるかは分かりませんが、ここにいる間は患者さんや子どもたちのために活動していきたいと思います。

 

暗い内容になってしまいましたが、改めて注意書きとして協力隊は国、職種、配属先によってかなり状況が異なることを記しておきます。

最後までお読みいただきありがとうございました!